地理学者が哲学に目覚めたら最強だった説

オギュスタン・ベルク著『風土学序説』を紹介します。

15 「わたしたちの生から出発して厳密に考える」

5 社会の「風土」をもし可視化したら -3

人の人間性におけるポテンシャルには個体差がある 人間の世界観の大きさにおいて個人差は少ないが、その技能や感受性の深さ(密度)に比例する現実実現力の大きさにはほとんど際限のない個体差があると僕は思う。 ベルク氏が風土学を「至高な次元にある客観…

4 社会の「風土」をもし可視化したら -2

分業社会と人間力 僕は拙ブログで『風土学序説』の内容を歪めず拡大解釈もせず紹介する所存である。 しかし、ベルク氏の態度について、一言もの申したいことがある。 p.332 だれもが同じように、風物身体のすべての側面にかかわるわけではない。たとえばわた…

3 社会の「風土」をもし可視化したら -1

近代的観点から見た人間とその幸福度 20世紀末頃まで優勢だった、そして現在も制度上保護されており正面切っては否定され難い近代的な価値観は以下のようなものだ。 人は自分の体をもって環境<地球<宇宙空間の中に存在する 人は物財をたくさん所有していれ…

2 人それぞれの風土学(ある地理学者の場合) -2

本書第八章の内容 さて、ベルク氏は第七章までで検証した「地理学は存在論であり、存在論は地理学である」(p.378)という学説を論拠に、本章で自分の思いを強い口調で主張する。 p.378 思想史にかかわるこの事柄を確認することで、現代のわたしたちに関連し…

1 人それぞれの風土学(ある地理学者の場合) -1

風土学の実践例 本書には風土学から見た過去の出来事の実例が数多く登場する。 しかし、風土学の視点で現状を見て考え行動するという風土学の実践例は、ベルク氏本人による1つだけしか登場しない。 『風土学序説』第八章 市民体(シテ) 本書の序から七章を…