地理学者が哲学に目覚めたら最強だったんじゃないか

オギュスタン・ベルク著『風土学序説』を紹介します。

17 僕はあなたに思想を問いたい

5 現実を直視する

こうできる=生物全般が持つ能力 昨今日本の大衆の共感を集める表現やその自発的な動きを見ていると、かなり大勢の人が、その主体性の有無にかかわらず、心の底では和辻氏とベルク氏が提唱するような風土性という原点に立った人間性を強く求め発揮したがって…

4 僕がいま本書ををあなたに紹介しようとした理由

人間の風土性 国民性やお国柄という言葉がある。 世界を見渡すと、確かにこの世界にそれはあるように感じる。 そして風土学は、それを説明するにふさわしい理論と枠組みをそなえている。 p.224 mediance(※風土性)は特定の風土の特異な性質という意味になる…

3 風土学はまだ序説である -3

他者と対話する努力とロマンチズムの現実性 日本で昨今「泣ける」物語が流行し求められる傾向は、以前に触れた「君の名は。」ブームにも似た共同体への郷愁が呼び寄せていると思う。 僕らがそのような物語に無意識に求めているものは物語自体の様相ではなく…

2 風土学はまだ序説である -2

学問としての序説だったのか? ベルク氏は『風土学序説』を書いた後に京都大学で教鞭をとっていたという。 僕は本書を読んで以来ずっと、なぜ彼の地から風土学が本格的に勃興しないのか、疑問に思っている。 もしかすると本書の題名はやはり本書が風土学とい…

1 風土学はまだ序説である -1

あなたにとっての序説 「序説」という語は、本題に入る前の前置きにあたる論説という意味をもつ。 『風土学序説』が出版された当時、僕はその書名を見て「ベルク氏は将来、風土学の本論にあたる論説を発表するつもりなのだろう」と考えた。 しかしそのような…