地理学者が哲学に目覚めたら最強だったんじゃないか

オギュスタン・ベルク著『風土学序説』を紹介します。

1 なぜ今、16年前の本を紹介するの?

『風土学序説』は読まれるべき人に読まれていない

と僕は思ってきた。

本書の帯には「著者半生の集大成。」と見える。
ベルク氏は日本で本書の前にすでに7冊の本を上梓した実績ある学者である。
その中でも集大成にあたる本書は、まとまった数の人に読まれていて然るべきである。
もし本の内容が優れていたりユニークであったりすれば、きっとそれを評価する人も出てくる。

しかし2018年現在インターネット上を探しても、本書について日本語で書かれた適当な論評は、著者本人によるものを除いて見つけることができない。
本書を解説した書籍も出版されたことがない。
もしかすると新聞のような他のメディアを通じて発表されたことがあるのかもしれないが、その痕跡は僕の手の届くところにはない。
このような評価は、ベルク氏の著作の内で決して芳しい方ではない。

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「すごい本じゃない?」「それ何の本?」「地理学?日本文化論?」

僕は、この事実は本書が

  1. 日本の読者とミスマッチを起こしている
  2. 内容にある種の問題を抱えている

という理由のためではないかと考えている。

ところで、本書が紹介に値する優れた本であるという僕の見解は拙ブログの大前提であり、また拙ブログの存在意義である。
僕はこの点を信じて疑わない。
もしあなたが拙ブログを読んで違和感を感じたらば、それはおそらく拙ブログの中に問題があるせいなので、ぜひ一度本書自体を手にとって読んでみてほしい。

さて、本書が読まれていないと思う理由について詳しく説明したい。