地理学者が哲学に目覚めたら最強だったんじゃないか

オギュスタン・ベルク著『風土学序説』を紹介します。

4 拙ブログでできるだけわかりやすく解説します。

『風土学序説』はベルク氏の造語だらけ

本書の題にある「風土」は日本語の一語である。
しかし本書でこの語は、説明された上でその日本語とはまた異なる概念を示す言葉、一種の造語として使われる。
しかも
風土エクメーネ

風土ミリュー
、2つの「風土」が出てくる。
さらに、日本語の風土と風土エクメーネ風土ミリューの3つは、同じ語だけあってやはりその意味に似たところがある。

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どう違うのか、後で詳しく説明します。

造語は新しい概念を表すためにつくられた新しい言葉である。
造語を用いてつづられた文章は、造語の定義をはっきり意識しながら読まないと意味を誤って汲んでしまいがちである。
なのに、それが既存の言葉と似ているとどうしても元の言葉の意味をイメージしてしまい、誤解を招きやすい。

既存の語と似た造語を多用することにより、本書はテーマがわかりづらいことに輪をかけて、全体的にちょっと読みづらい本になってしまったんじゃないかと思う。

本書はなにしろ既存のどの学問分野でも扱ってこなかったような新奇なことに関する論述であり、自称ではあるが「学」と名づけられるほどボリュームもあり、読者がもし哲学の素人ならば白紙状態から理解していくのがもともと難しい著作である。

拙ブログはあなたが『風土学序説』の主旨を理解する手助けとなりたい。
僕の拙い解釈ではあるのだが、できる範囲でわかりやすく解説していきたいと思っている。
ちなみに、本書で用いられるすべての造語を解説はしない(本書の主旨を理解するのにはさしつかえないと考えている)。
具体的にいうと、以下に挙げるベルク氏の造語及び一見難解な用語について、より身近な言葉で言い換えたり、身近な例を用いて解説を試みる。

  • 風土エクメーネ風土ミリュー
  • 通態(通態的、通態性)
  • 風土性
  • 人間存在の構造契機
  • 存在論
  • 実存(実存する)
  • アリアドネの糸
  • 意味=おもむき
  • 身体性
  • 宇宙性
また本書は言葉だけで構成されており、僕は「さし絵があれば少しでもわかりやすくなるのに」と思っていた。
僕は学者でなければ絵描きでもなく、能力の上でまた時間の上でも自分で描けるものに大いに制限があるのだが、目的達成をめざして一所懸命図を準備する所存である。