地理学者が哲学に目覚めたら最強だった説

オギュスタン・ベルク著『風土学序説』を紹介します。

10 哲学になど用はない、と言いきれる方へ

世界の認識のしかたは人それぞれ

拙ブログを読んでいるあなたは、そもそも哲学を初めどんな学問にも真理を求める必要のない人、たとえば宗教を信じている人かもしれない。

前に述べたが『風土学序説』の論点は、個人の生活と社会全体の両方がかかわるような問題に対して、個人と社会どちらかに重点をおかず両方を見渡せる視点を提示すること、である。

宗教を信じるあなたにとっては、私生活と社会生活の両方がその教えに支えられ、守られているかもしれない。
もしもその生き方があなたにとって、またあなたにかかわる人々全員との関係において、問いに対して納得いく答えが与えられ矛盾を感じず自分らしくいられる生き方ならば、拙ブログからあなたに改めて伝えられることはないと思う。

本書からみた宗教

本書は地理学者が著した学術書なので、宗教とは人間が現実を認識する過程で必然的に生み出した事象である、と説明する。
つまり、宗教は人の現実認識を総べるような位置にあったとしても、やはりその人の現実認識におけるひとつの側面でもあると考えている。

f:id:appalaried:20180301195829p:plain
地理学と同じ土台に立つ学説なので

ただしベルク氏は、宗教は人間が知性をもって直接知ったり考えたり(つまり認識)できない物事(たとえばビッグバンで誕生する以前の宇宙のあり様)を扱うこと、そして自説を含むすべての学問の対象は認識可能な範囲に限られることに触れて、人間にその限界を超えたものを見せる力をもつ宗教へ敬意を表している。

詳細は本書の第二十八章「風土性と宗教」を読んでいただきたい。