地理学者が哲学に目覚めたら最強だった説

オギュスタン・ベルク著『風土学序説』を紹介します。

初めて読む方へ

はじめまして。

拙ブログのテーマは、『風土学序説』という本を紹介することです。

この本を書いたオギュスタン・ベルク氏は「地理学は存在論であり存在論は地理学である」というユニークな主張をしました。

存在論とは一言でいうと「〇〇はなぜそこにあるのか」という理論です。
わかりやすい例を挙げるならば、ある人はエスカレーターを利用する際にどこに乗るべき(人はなぜそこに乗るべきか)か。
段のまん中か、右側か、左側か。あるいは手すり部分に寝そべるのがクールなのか。
その答えは時と場合によって、そして乗る人によって無数にあります。
縁あって地理学者として来日したベルク氏は、思想家・和辻哲郎が示した日本人の世界観を読み解き、その答えの出し方には普遍的な原理があると主張したのです。

エスカレーターでどこに乗るべきかは、僕たちにとってそれほど重要な問題ではないと思います。
でも、もしそれがエスカレーターでなく乗り物の優先席だったら。
他にもたとえば、ある人がある企業の社員のポストに就くべきか、ある建物をある場所に建てるべきか、稼いだ(またはもらった)お金を何に使うか(誰に渡すか)などと、僕たちは存在論にもとづいた問いを日々発して判断をし続けています。
もちろんいつも「自分はなぜここにいるのか」という問いを漠然と抱きながら。

この本は、地質や地形、気象から社会学や経済学まで幅広い学問を参照しながら世界中の「〇〇はなぜそこにあるのか」を研究する地理学者による、人間の普遍的な世界観に関する本です。
この本は、誰にとっても適切なその答えを教えてくれるわけではありませんが、誰にとっても適切なその答えの出し方を教えてくれると僕は思います。


拙ブログは、全体で1冊の本のように、一連なりの話をする形をとっています。

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